実際にどのようにして手彫りはんこがつくられるのかを紹介しましょう。
まずは字入をします。印面は紙やすりによってしっかりと平らに仕上げて、そこに朱打ちをします。そして、字割りを薄く入れていきます。文字がバランス良くしっかりと収まるように下書きをするのです。この字入れが最も大切な工程といえるでしょう。そして、実際に朱と墨を用いて文字のデザインをしていきます。もし墨で書いた部分が太すぎてしまったときには、朱によって細くするのです。細すぎるところは逆に墨によって膨らませます。
そして、粗彫りという作業をします。こちらは実際に印刀を用いて掘っていく作業となります。輪郭のぐるりや墨で書かれている文字の内側と外側の部分に切り込みを入れてから掘っていくのです。このあとに紙やすりを用いて墨を落としていきます。そして、最終的な仕上げの作業を進めていくことになります。仕上げは一番技術の必要な繊細な作業となります。ここをきちんと仕上げることができれば、きれいな手彫りのはんこが完成するのです。
そして、最終的なチェックをして問題のないものが納品されていくのです。職人が心血を注いで制作しているものが手彫りのはんこなのです。まさに芸術品と言えるでしょう。